衝撃の作品


いつか紹介しようと思っていたのに、なんて書いたらいいのか分からなかった、衝撃の作品を再読しました。ウェザーの気ままなHPの美野楚名さんが書かれた『血が・流れて・溶ける・海へ』。これ実は、ネット小説で最高の作品だと思ってるんですね。

原爆の話なんだけど、とにかく構成と技法がうまい。原爆投下時の時代と現代が入れ替わりに描かれていて、さらに、語り手が確定されてない。視点が移るたびに、時間と空間が歪んでいく感じがするんですよ。最終的には、原爆の被害にあわれたすべての人々の痛みと物語が、時間と空間に流されて、読み手のもとに届けられるような仕組みになってると思うんです。

そんなことを頭の片隅で分析しながらも、実際に読んでいるときは、泣きながらぷるぷる震えてページをめくってます。わたしにとっては『はだしのゲン』よりも衝撃は大きい。この作品は、原爆を過去の他人事の話にしないで、読者を作品の一部にしてしまうんですよ。

無粋なことを言ってしまいますが、最初、語り手が見えないので不安定な感じがすると思います。それが作品の肝なので、気にしないでください、…人様の作品に、勝手に解説をつけてるようで恥ずかしいですね。でも、誰かに、ひとりでも多くの人に、読んで欲しいと思ってます。

2010年3月13日

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Category: ネット小説