贖罪


  • 贖罪
  • イアン・マキューアン (著)
  • 新潮社 (2008/02)

子供であることは、怖いこと、です。想像力豊かな少女ブライオニーの幼い正義感と他愛のない虚栄心が、恋人たちを引き裂いた。前途有望な青年は刑務所へ送られ、のちに第二次世界大戦に従軍することとなり、少女の姉は看護婦となりロンドンで青年の帰還を待つ。この作品は、ブライオニーの生涯をかけた”贖罪”の物語です。

小説の限界と可能性を追及した作品、だとも言われてるそうです。試みはわかりますが、この作品にリアリズムは欲しくなかった。”恋人たちは生きのび、幸せに暮らすのである”、こういった定番的な物語の結末は、人の優しさと希望であって、文学のなんたらよりも、個人的にはずっと大切なことだったりします。むしろ、書き手の手の内を見せられたことに、作家としての見栄や弱さを感じたりしました。

カタルシスをとりあげられてしまって、ふてくされた感想になりましたが、おもしろかったという気持ちは、間違いないです。

2008年8月24日
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