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いつも旅のなか


学生の頃、ありきたりだけど沢木耕太郎の『深夜特急』に影響をうけて一人旅をはじめました。最近では作者の旅のスタイルにシンパシーを感じたりします。この旅のエッセイ集も、なんかわかるなあと。

旅は読書と同じくらい個人的なことで、同じ本を読んで感動する人もいればまったくなんにも感じない人がいるように、同じ場所を旅しても、印象は絶対的に違う。ときとして見える光景すら違う。さらに読書よりもっと刹那的だ。(あとがきより引用)

2008年9月25日

インモラル


  • インモラル
  • ブライアン・フリーマン (著)
  • 早川書房 (2007/03)

どうやら目立ちがり屋の新進作家さんのようで。エンタメ要素をぱんぱんに詰め込んだサスペンス小説です。全体を通して見ると、要素を切って貼って繋ぎ合わせたような、流れの悪さを感じました。

2008年9月21日

小説論 読まれなくなった小説のために


20年前の岩波セミナーをまとめた内容なので、時代遅れな感はあります。でも辛辣で読書量豊富な作者の小説観や読書歴を聞くのは、おもしろいです。ふむふむ頷いたり、普段使わない頭をフル回転させて反論を組み立てる作業は、賢くなった錯覚(あくまで錯覚)を持てて充実感あり。

2008年9月18日

カフーを待ちわびて


期待してなかったんですが、思いもよらずよかったので、嬉しくてたまらないです。第一回日本ラブストーリー大賞作品。こういう、ちゃんとした、軽い恋愛小説が読みたかったんですよ。作者の、頭のよさ、センスのよさが、うかがえる作品です。

沖縄の与那喜島が舞台となっていて、ワンシーンが絵になるんですよね。明青が飼い犬を連れて、海辺を散歩をする。サンゴを海へ投げる、犬が海に飛び込み拾ってくる、時折ハリセンボンも捕まえてくる。お隣に住む、ユタのお婆ちゃんが、島の言葉で重々しくご神託を告げる。ああいいなー、と思うシーンがたくさんありました。

「カフー」とは与那喜島の方言。耳にも心にも優しく響く、いい言葉ですよ。沖縄のビーチに転がって、オリオンビールでも飲みながら、のんびりカフーを待ってみたくなりました。

2008年9月18日

わたしを離さないで


SFかと、思ったんです、読み始めてすぐ。箱庭的楽園のパターンかと。でもブッカー賞作家だし、文体も雰囲気もSFではないし、いろいろな違和感があって、どう読みすすめていったらいいのか戸惑いました。これは、なんなのだろう、という思いが、読んでいる間ずっとありました。

物語は、ある女性の現在と回想をまじえて綴られています。牧歌的な施設で、仲間たちと学んで遊んで過ごした子供時代。成長するにつれ彼らは、施設の意味や自分たちの存在意義に気づいていきます。そして、それぞれの人生を、許された範囲で生きて、死ぬ。

この作品は、変な言い方ですが、SF的設定を用いた現代小説、という感じがしました。現実に近すぎて、やりきれないです。こんな未来がきませんように。

2008年9月7日