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山本 幸久『はなうた日和』
- はなうた日和
- 山本 幸久(著)
- 集英社 (2008/5/20)
まったく知らない作家さんだったのですが、表紙とタイトルが好きな雰囲気だったので購入。なんとなく想像したとおり、のんびりとした穏やかな感じの短編連作集で、なごみました。
世田谷線で繋がった人々の日常を描いた短編集で、読み終わった瞬間に話の内容は忘れてしまいましたが、気持ちのいい小説でした。ぜんぜん気合いが入ってないのが、いい感じでした。
奥田 英朗『サウスバウンド』
- サウスバウンド
- 奥田 英朗(著)
- 角川書店 (2007/08)
子供視点の威勢のいい元気な家族もので、わたしはこういう話は好きですね。雰囲気は違うけど、角田 光代の『キッドナップ・ツアー』も子供が主人公の親子もので、こちらも大好きです。
上巻は東京の中野が舞台で、下巻は沖縄の西表島。元過激派のメーワクな父のおかげで東京にいられなくなって、夜逃げのように家族で西表島に移ります。おもしろいのは、働きもせず口先だけで社会を批判しているように見えていた父が、西表島の未開地ではとってもたくましい。正義に見えるんです。
西表島のリゾート開発については、他の小説でも読んだことがあります。現実でも問題になってますよね。こういう小説を読むといろいろ考えてしまいますが、…小説を読んだだけでは分からないです。
三崎 亜記『失われた町』
- 失われた町
- 三崎 亜記(著)
- 集英社 (2009/11/20)
確かすばる新人賞をとったデビュー作を読んだ時、”いらいらするけど、方向性は嫌いじゃない”という感想を書いた気がします。今時の若者っぽいドライな空気感があって、未熟でも個性があると思ったんですよね。
この作品は、伊坂幸太郎や恩田陸が書くようなちょっとSFっぽい世界が舞台です。そういう世界で、なぜか昼メロ風の感情表現がオーバーなキャラたちが、お涙ちょうだい劇をしていました。3ページで恋に落ちてました。たまに謎を追いかけたり、アクション活劇を繰り広げたりしてました。そういう訳で、作者がこれをどんな作品にしたかったのか、さっぱり分からなかったです。
新人賞作品が『限りなく透明に近いブルー』や『五分後の世界』にハルキ主人公が登場するような作品だったので、こう露骨に流行のエンタメを出されると、なんか複雑な気分。作品の評価が割れている理由が、わかる気がします。
栗本 薫『レダ』
- レダ
- 栗本 薫(著)
- 早川書房 (2010/1/10)
栗本薫の初期傑作SF『レダ』が復刊したので、お祝いに再読しました。はじめて読んだのは小学生の頃で、とても衝撃をうけた作品でした。作者の膨大な作品群のなかで、最も完成された作品だと、個人的に思っています。
「自分は誰なんだろう」という問いは(…言葉にすると恥ずかしすぎる)、常に作者の作品のメインテーマになっていて、『グイン・サーガ』や『魔界水滸伝』も、そこらへんは同じなんですよね。『レダ』はそのテーマを、鋭く、センシティブに描いています。
完璧に管理された社会。友達やパートナーは制度化され、独りでいることも自由、社会に反抗することも自由。誰もが幸せであることを追求した理想社会が存在した。でもイブ少年は、不幸なレダに出会ってから、社会に自分に疑問をいだきはじめる。
この作品は、いつまでも読み続けられる一冊になって欲しいです。
ロバート・チャールズ・ウィルスン『無限記憶』
- 無限記憶
- ロバート・チャールズ・ウィルスン(著)
- 東京創元社 (2009/7/30)
『時間封鎖』の続編だそうです。続きがあるとは知らなかったけど、三部作のようです。前作は時間が封鎖された地球で仮定体の謎に迫るという内容で、続編では地球と地続きとなった新大陸で仮定体との接触を試みることになります。前作と同じく人間ドラマ中心で、淡々としてる気がしました。別に嫌いじゃないんだけど、特徴がないっていうか、記憶に残らない作品なのです。




